特殊清掃とは、ご遺体が発見された部屋で清掃作業を行い、早期に原状回復させるサービスのことです。
原状回復とは、清掃で見た目を元通りにするだけでなく、消臭や除菌作業を併せて行うことで、ご遺体が発見される前のように人が快適に住める状態の部屋に戻すことです。
特殊清掃が必要な場合
特殊清掃が必要なのは、ご遺体の発見までに時間がかかった場合が大半です。ご遺体の発見が遅れるのは、主に以下のようなことが起きた一人暮らしの部屋です。
- 自殺があった部屋
- 事件があった部屋
- 孤独死があった部屋
自ら命を絶ったり、事件に巻き込まれたりした場合、一人暮らしだと発見までに時間を要することがあります。近年、自殺や事件以上に増えているのは、孤独死です。一人で暮らしていて心臓発作や脳卒中といった突然の病気で亡くなる。あるいは、徐々に動けなくなって亡くなる場合が増えています。
孤独死の問題は、死後に発見されるまで時間がかかることです。時間が経過するとご遺体が傷んで、体液や血液の汚れ・臭いが床や壁に付着します。汚れや臭いが染みついた部屋は、通常の掃除では元のきれいな状態に戻すことができません。そうした場合で部屋の原状回復にあたるのが、私たち特殊清掃業者です。
特殊清掃とはどういう仕事なのか
特殊清掃では、原状を完全に回復させるために、以下のような作業を行います。
・汚染物の除去
血液や体液で汚れてしまった布団やまくら、カーペットや畳などを撤去して、床や壁に残る血液や体液などを取り除きます。その際は、床下や壁に染みこんでしまっている汚れや臭いも除去します。
・害虫の駆除
特殊清掃を必要とする現場では、多くの場合、ウジやハエ、ゴキブリといった害虫が発生しています。放置しておくと、衛生上の問題があるため、専用の殺虫剤や燻煙剤などを使って害虫の駆除を行います。
・消毒・除菌
汚染物があった場所だけでなく、部屋全体が害虫の運んだ菌によって汚染されています。目には見えませんが、菌が繁殖すると感染症が発生するおそれがあります。そのため、特殊清掃専用の特別な薬剤や機器を使って、細かなところまで徹底的に消毒・除菌を行います。
・完全な消臭
特殊清掃で見た目がきれいになっても、臭いは確実に残ります。死臭は、最悪の悪臭とされていて、すぐには消えないからです。臭いの分子は部屋のあらゆる場所に付着しています。そのため、特殊清掃専用の消臭剤を使って、細部にいたるまで徹底的に完全な消臭作業を行います。
特殊清掃だけでなく、住宅に大きく手を加える必要がある場合をいくつか見ていきましょう。
体液が下地にまで浸透している場合
死後1週間以上経過していた場合、体液が畳やフローリングの継ぎ目から漏れて、下地に浸透している場合があります。
下地にまで浸透すれば、表面をいくら清掃しても、臭いは消えません。下地が臭いの発生源となっている場合は、床や壁を撤去して張り替える必要があります。
壁紙に血液が染み込んでいた場合
吐血などで、壁面に血液が付着していることがあります。壁に飛散した血液は通常、専用の薬剤で落とせます。しかし、時間が経過した血液は、酸化して黒く変色します。酸化して変色した血液は、完全に消すことが困難なことがあります。どうしても血液の跡が落ちないときは、壁紙を変える必要があります。
お風呂場の配管に臭いが付着している場合
お風呂場の床で亡くなられた場合、体液や血液が排水口に流れ込みます。排水口から臭いがするときは、配管清掃用の高圧洗浄機を使用した大がかりな作業が必要になります。
浴槽内で亡くなられたときは、中の液体を汲み取って処理します。浴槽内に傷や破損があると、その部分が原因となって臭いが落ちない場合があります。ユニットバスのコーキングが劣化している場合も同じです。そのときは浴槽の交換などのリフォームが必要になることもあります。
特殊清掃の作業では、必ずしもリフォームが必要となる場合ばかりだけではありません。リフォームを行うと費用もかさみます。そのためウィズイング株式会社では、なるべく清掃作業で原状回復ができるように活動しております。
もし、リフォームが必要な場合も、信頼できる施工会社をご紹介するなどのアドバイスを行っております。ご不明な点がございましたら、遠慮なくご相談ください。